オタワの街に初雪が舞いはじめる11月の終わり。クリスマスマーケットやイルミネーションより一足早く、ホリデーシーズンの幕開けを告げてくれるのが、バレエ「くるみ割り人形(The Nutcracker)」です。
今年は、モントリオールを拠点とするカナダ屈指のバレエ団「レ・グラン・バレエ・カナディアン(Les Grands Ballets Canadiens)」が、国立芸術センター(NAC)の Southam Hall にやってきます。しかも音楽は、NACオーケストラによる生演奏! チャイコフスキーのあの名曲たちを、本物のオーケストラの響きで聴けるなんて、それだけでワクワクしますよね。
きらびやかな衣装に、雪が舞う幻想的な舞台、そしてお菓子の国の楽しいダンスたち。「子どもにはまだ早いかな?」と迷っているママにこそ知ってほしい、親子で楽しめるポイントをたっぷりご紹介します。
公演の基本情報
- 公演名:The Nutcracker(くるみ割り人形)/Les Grands Ballets Canadiens
- 日程:
- 2026年11月26日(木)19:30
- 11月27日(金)19:30
- 11月28日(土)13:30/19:30
- 11月29日(日)13:30/19:30
- 会場:国立芸術センター(NAC)Southam Hall (1 Elgin Street, Ottawa)
- 演奏:NACオーケストラ(生演奏)
- 上演時間:約2時間(第1幕 約54分、休憩20分、第2幕 約46分)
- 対象年齢:4歳以上推奨
- チケット:$33〜$139
小さなお子さん連れなら、土日の13:30からのマチネ(昼公演)がおすすめです。
60年以上愛され続ける「ナウル版」くるみ割り人形
今回上演されるのは、カナダ人振付家フェルナン・ナウル(Fernand Nault)による振付版。1964年にモントリオールで初演されて以来、60年以上にわたって毎年ホリデーシーズンに上演されている、ケベックの人たちにとっては「これを観ないと年を越せない!」というほどの定番なんだとか。
親子三代で観に行く、というご家族も珍しくないそうで、それだけ長く愛されているのも納得。1987年に新調された舞台セットと衣装は、まるで絵本の世界からそのまま飛び出してきたような華やかさです。
モントリオールの本拠地公演では、ダンサーや子役も含めて約165人が出演するという大規模な舞台。そんな作品がオタワで観られるのは、なかなか貴重な機会ですよね。
ここが見どころ! 親子で楽しみたい名場面

物語の主人公は、少女クララ。クリスマス・イブのパーティーで、プレゼントにもらったくるみ割り人形とともに、不思議な冒険の旅に出かけます。
- クリスマス・パーティーの場面:大きなクリスマスツリーのある華やかなお屋敷で、子どもたちがはしゃぐ楽しいシーン。登場人物の子どもたちに、お子さんもきっと自分を重ねて見入ってしまうはず。
- おもちゃの兵隊とネズミの大合戦:夜中の12時、ツリーがぐんぐん大きくなって、くるみ割り人形率いる兵隊たちとネズミの王様の軍団が戦います。ナウル版ならではの「ちびネズミ」たちのかわいらしいダンスにも注目です。
- 雪の国:真っ白な雪が舞い散る中、雪の女王と雪の精たちが踊る、第1幕のクライマックス。息をのむほど美しい場面で、大人のほうが感動してしまうかもしれません。
- お菓子の国:第2幕は、スペインのチョコレート、アラビアのコーヒー、中国のお茶、ロシアのトレパックなど、世界各国のお菓子たちが次々と踊りを披露する夢のような世界。短い踊りがテンポよく続くので、小さなお子さんも飽きずに楽しめます。
- ドラジェの精の踊り:チェレスタのキラキラした音色に合わせて踊る、誰もが一度は耳にしたことのある名曲。「あ、この曲知ってる!」とお子さんが目を輝かせる瞬間がきっとあるはずです。
観劇前にお家で絵本やアニメで物語を予習しておいたり、チャイコフスキーの曲を聴いておいたりすると、当日の楽しさがぐっと増しますよ。
オタワの子どもたちも舞台に!
この公演のもうひとつの魅力が、地元の子どもたちが出演すること。今年はガティノーのアカデミー・ド・ダンス・ドゥ・ルタウエ(Académie de danse de l’Outaouais)でオーディションが行われ、なんと約100人の子どもたちが、プロのダンサーと一緒に舞台に立つんです。
役どころは、7〜9歳の子どもたちが演じる「ちびネズミ」をはじめ、マトリョーシカ、トナカイ、天使、ネズミなどさまざま。前回のオタワ公演でも、地元のバレエスクールに通う10代の子たちが、普段はプロが踊る「コーヒーの踊り」の場面に出演して話題になりました。
バレエを習っているお子さんにとっては、同世代の子たちが大舞台で踊る姿は大きな刺激になるはず。「いつか自分もあの舞台に」なんて、夢が広がりそうですね。
開演前の無料バレエワークショップ
子連れママにぜひお知らせしたいのが、開演前の無料バレエワークショップ。NACのティーチング・アーティストが、バレエの基本のステップや、くるみ割り人形にちなんだ動きを子どもたちに教えてくれます。
- 日程:11月28日(土)・29日(日)
- 時間:マチネ公演前 12:30/12:55、28日(土)夜公演前 18:30/18:55(各回約20分)
- 場所:NAC館内 Peter H. Herrndorf Place
- 料金:無料
実際に体を動かしてから本番を観ると、「さっき習った動きだ!」と舞台への親近感がぐんとアップ。少し早めに会場入りして、ぜひ参加してみてくださいね。
体験談:娘と2度観に行きました

実は私も、娘と一緒にNACで「くるみ割り人形」を2度観に行ったことがあるんです。1回目は娘が小学校低学年のとき、2回目は中学生のとき。同じ演目でも、年齢によって楽しみ方がこんなに変わるんだ、と気づかされた2回でした。
1回目:小学校低学年、はじめてのバレエ鑑賞

きっかけは、当時バレエを少し習っていた娘と、同じようにバレエを習っていたお友達親子からのお誘いでした。子どもたちはこの日のためにドレスを選び、「特別なお出かけ」という気分。子供たちも母たちもとっても楽しみにしていました。
公演前にはダンサーのお姉さんたちと一緒に写真を撮らせてもらえて、子どもたちは大興奮。舞台が始まる前から、華やかな会場の雰囲気をたっぷり楽しめました。
「低学年で2時間ももつかな?」と少し心配していましたが、ストーリーをなんとなく知っていたこともあって、飽きることなく最後までしっかり観ていました。あらすじを軽く予習しておくだけでも、小さな子どもにとっては全然違うんだなと実感しました。
2回目:中学生、オーケストラに夢中に
2回目は娘が中学生になってから。この頃の娘はバイオリンを習っていて、オーケストラでも活動していたので、今度はオーケストラのお友達と一緒に出かけました。
成長した分、1回目よりもストーリーを深く味わえていたようです。そしてなんといっても楽しんでいたのが、オーケストラの生演奏。ステージの近くまで行くと、舞台の下のオーケストラピットをのぞくことができて、演奏している様子を間近で見られるんです。楽器を習っているお子さんには、これがたまらないポイントかもしれません。
小さい頃はドレスと舞台のきらきらに、大きくなってからは物語と音楽に。何度観ても新しい楽しみ方が見つかるのが、「くるみ割り人形」の魅力なんだなと感じました。観終わったあとは、クリスマスに向けて気持ちが一気に盛り上がるのも、毎回うれしいところです。
子連れ観劇のワンポイントアドバイス

- チケットは早めに:くるみ割り人形はNACでも特に人気の演目。週末のマチネ(昼公演)は早めに売り切れやすいので、日程が決まったら早めの購入がおすすめです。
- 服装:ドレスコードはありませんが、実際にはドレスアップして来ているお客さんがたくさんいます。せっかくの特別な日なので、ワンピースや蝶ネクタイでちょっぴりおめかしすると、気分も盛り上がりますよ。会場内は暖かいので、脱ぎ着しやすい服装がおすすめ。11月末のオタワは冷え込むので、コートや手袋もお忘れなく。
- 休憩時間の活用:20分の休憩中は、お手洗いが混み合います。幕が下りたら早めに向かうのがコツです。
- 駐車場:NACには館内駐車場があります。公演日は混雑するので、時間に余裕をもってお出かけくださいね。
- アクセシビリティ:車椅子対応の座席や入口、送迎スペース、補聴機器の貸し出しなども整っています。
まとめ
- レ・グラン・バレエ・カナディアンの「くるみ割り人形」が、11月26日〜29日にNAC Southam Hallで上演
- 60年以上愛される名作「ナウル版」を、NACオーケストラの生演奏で
- オタワ・ガティノー地域の子どもたち約100人も出演
- 土日マチネ前の無料バレエワークショップは子連れにぴったり
一年でいちばんきらきらした季節の始まりに、親子でバレエの世界にひたってみませんか? 客席が暗くなり、オーケストラの最初の音が響いた瞬間のあのドキドキは、きっとお子さんの心にもずっと残る思い出になるはずです。
参考・公式サイト
- The Nutcracker|Les Grands Ballets Canadiens(National Arts Centre)
- The Nutcracker: more than 60 years of wonder(Les Grands Ballets Canadiens)
※本記事の日程・料金は2026年9月時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけ前にNAC公式サイトで最新情報をご確認ください。

